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今月は

2024年 2月は

先月はなんと、ここ金沢は元日から大きな地震でとにかく驚きました。 大変な年明けになりましたが、今月は3日が節分の豆まきです。 ここで気分一新して、そして4日が立春ですから、 日も高くなり明るくなってきます。 春とともに、良いことがありますようにと願いたいですね。
今月の金花糖は、まだまだストーブも盛んに燃えて、 静かな冬の気分です。 こんな時のおすすめは力の出るお餅メニュー、焼餅トリオはいかがでしょうか。 金花糖の餅は、職人さんが木の杵(きね)でペッタンペッタンついた手つきのお餅です。 焼餅トリオは、手つきのお餅を三つの味わいで楽しんでいただくメニューです。 海苔を巻いた磯辺まき、丹波の黒豆きなこのあべかわ、 そして抹茶味と三つの味わいをセットで楽しんでいただけます。 静かなゆっくりとした雰囲気の中、ぜひ焼餅トリオをご賞味くださいね。
では、立春を詠んだ九条良経(よしつね)の歌です。

ひきかへてよものこずゑもかすむめりけふより春のあけぼののそら
〔引き替えて 四方(よも)の梢(こずえ)も 霞むめり 今日より春の 曙の空〕

様子も変わって 東西南北どの木の先も 霞んでいるようだ 今日からは春の 曙の空だ。
この霞は春霞です。 昔は新しい季節が来る時や、どこか新しい土地に来たとか、そんな時には歌を詠みました。 それは寿(ことほ)ぐ歌、つまり新たな季節や土地を誉め称えて祝う歌です。 そこで土地ならば美しいとか豊かなとかになるわけですが、季節では少し違うのです。
季節は普通どおりに来るのがおめでたい、季節を誉め称えることなのです。 これはなるほど分かるような気がしますね。 ですから立春になれば、僅かに春が見えると詠んで新しい春を称えます。 でも、もちろんですが形だけを詠んでも歌になりません。 自分の思いが込められてこそ歌です。
良経さんは、東も西も南も北も、どこも春の霞が僅かに見えるようだ。 冬はやはり大変だった。まだまだ寒い。 でも今日からは春なのだ。朝起きれば霞の見える春の曙・・・ だんだん春になるのだなー、 と思いを込めたのでしょう。
「引き替えて 四方(よも)の梢(こずえ)も 霞むめり 今日より春の 曙の空」、 枕草子にも「春は曙」とあります。 そして立春は冬至と春分のちょうど真ん中の日です。 太陽の位置は春に入るので、日の明るさはちゃんと春になります。 まだ寒くとも、今日からいよいよ春が来るのだ、まさにそんな思いが伝わってくる歌ですね。
さあ、冬から春に向かいます。 身も心も、そうありたいですね!

甘味処 金花糖/石川県金沢市長町 3-8-12/tel 076-221-2087