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今月は

2010年 1月は

あけましておめでとうございます。
年が明けると、やはりなぜか気持もあらたまるものですね。 日頃はだらだらした気分でも(笑) 元日は、どこか締まった気分になって気持がいいですね。
金花糖はといいますと、今年は十周年を迎えます。 やみくもに経験もないまま、今思えば勢いだけで開店したようなものでしたが、 お蔭様をもちましてここまで参りました。 これからも、手作りの味で歩んでいきたいと思っています。
また、よろしくお願いいたします≦(_ _)≧
今月のおすすめは、焼き餅トリオです。 金花糖のお餅は、職人さんが手でペッタンペッタン搗いた、力のある美味しいお餅です。 焼き餅トリオは、三種の味わいを組み合わせたメニューですので、 その美味しさを存分に味わっていただけます。 海苔を巻いた磯辺まき、丹波の黒豆きなこを使ったあべかわ、 そして抹茶味がセットになっています。 冬のゆったり落ち着いた雰囲気で、ぜひご賞味くださいね。
では、約750年前の新春を迎えて詠まれた歌です。

よものうみ浪をさまりてのどかなる我が日のもとに春はきにけり
〔四方(よも)の海 波治まりて 長閑なる 我が日の本に 春は来にけり〕

これはお正月らしいです!! 元日らしい御めでたい歌ですね。
たとえ現実は大嵐でも(笑)、一年の計は元旦にあり、 お正月にかける掛け軸の絵柄でもそうですが、 元日はこんな歌を詠んで、清々しい心で新しい年に臨めたらいいですね。
でも、「我が日の本」とは随分大きく 出たものです。(笑) しかしこの歌は 1259年に即位された、 亀山天皇の御歌なのです。 帝ならば、「我が日の本に 春は来にけり」、 堂々たる納得の歌ということになりますね。(笑)
次は、雪を詠んだ紀貫之の歌です。

雪ふればうときものなく草も木もひとつゆかりになりぬべらなり
〔雪降れば 疎きものなく 草も木も 一つ縁(ゆかり)に なりぬべらなり〕

《雪降れば 疎遠なものなく 草も木も 一つ縁に なるようだ》

雪が降ると、世の景色は一変します。 それぞれであった草や木が、大きな一つの景色となってしまいます。
自然は一つ、本質はそうなのかもしれません。 でも浅はかな我々は、これは美しい、あれは醜い、価値があるとか無いとか、 何でも分け隔てしてしまいます。 しかし雪が降れば、全てが一つになって雪を支え、疎遠なものは何もなく、 全てのものが縁で結ばれる姿を見るのです。
雪が降り、一変した雪景色に我々は感動します。 それは色、形、そういうところにもあるのでしょうが、 まさに世の全てに縁がある、 それを見る思いが浮かぶからかもしれません。 「疎きものなく 草も木も 一つ縁に なりぬべらなり」、素晴らしい歌ですね。
さあ、新しい年がスタートしました。 このさい大きく行きましょう。(笑) 我が日の本が、 一つ縁に結ばれ、長閑になりますように!!

甘味処 金花糖/石川県金沢市長町 3-8-12/tel 076-221-2087