今月は
2005年 2月は
2月はいよいよ立春、今年は4日ですね。
暦の立春というのは、ちょっと難しい言い方になりますが、
太陽を回る地球の通り道を、春夏秋冬に4等分して、
その春の部分の始まる日なのだそうです。
ですから春といっても、まだまだ寒くて、
ほんとにこれから始まるのだということのようです。
今月の金花糖は、特別メニューに、手作り もなかをいたします。
香ばしい皮のあいだに金花糖の餡が入ります。それに美味しい煎茶も添えられ
ますよ。この手作り もなかは、前にあるお客様から、
「これは意外なヒット作」と評していただきました。そうなんです、
一見、平凡で地味なのですが、意外に「これは美味しい」と思える
味わいなのです。ぜひ、手作り もなかをご賞味くださいね。
さて、今月は立春ということで、
紀貫之(きのつらゆき)の、「春立ちける日よめる」とある歌です。
袖ひちて むすびし水の こほれるを 春立つけふの 風やとくらむ
<袖濡らし すくった水が 凍れるを 春立つ今日の 風が溶かすよ>
夏に袖を濡らしたあの水が、冬には凍り、そして今「春立つけふの風」が
少しずつ溶かし始めるのだろう。美しいです。
夏、冬、そして春が来たと、一年の流れの中で春立つ日を
詠んだ貫之さん、さすが大歌人だと思います。
でも貫之さんは、明治の頃からは、下手な歌人と言われてきたのです。
ほんとに分からない話ですね。
次は、春の兆しを詠んだ式子内親王の歌です。
春も先(ま)づ 著(しる)く見ゆるは 音羽山 峰の雪より 出(いづ)る日の色
<春がまず はっきり見えるは 音羽山 峰の雪より 出る日の色>
日が昇る、峰の雪が輝く、そしてその日の色に、何よりも先に春が見える。
美しい!!そして感性がなにかすごく素敵です。
音羽山(おとわやま)は京都にある山、式子内親王さんは
よく目にする好きな山だったんでしょうね。
春が来ると、たしかに日の色も変化するように思えます。
まだまだ寒い時節ですが、春は、光の中にもう見えはじめてるのかも
しれませんね。