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今月は

2004年 7月は

7月は、梅雨があけるといよいよ夏!真っ青な空と白い雲、 くっきりと美しいですね。金花糖も、梅雨の間は6月メニューが続いて、 梅雨があけたら、いよいよ氷が始まります。
梅雨明けとともに、毎年御好評をいただいている、くずきりも始めます。 くずきりは、吉野本葛を使ったものですよ。蜜も黒蜜、抹茶蜜と 2種類お出ししますので、楽しさいっぱい。ぜひご賞味くださいね。
では、千年前、平安の頃の夏のお話です。女房の馬内侍(むまのないし)さんのところに、 ある男性が、氷を包んできたのです。

人の氷を包みて、身にしみてなど言ひて侍りければ

<ある人が氷を包んできて、身にしみてなど言っておりますので>

ある人というのは、左大将の方だったそうですが、馬内侍さんとは 日頃からある程度のお付き合いはあったようです。その左大将さんが、 あなたへの思いが、この氷を肌に当てたように 「身にしみて」、と思いの丈を打ち明けたのです。 平安の頃に夏の氷といえば、 山にある氷室から持ってくるしかないものですから、すごい貴重なもの、 贅沢品です。その氷を使って、馬内侍さんの心にせまったのです。 すごい意気込みですね(笑)
馬内侍さんが返した歌は

逢ふことの とゞこほるまは いか許(ばかり) 身にさへしみて なげくとか知る

<あなたと逢うことが とどこおる間は ものすごく 私が身に しみて 嘆いているとかってこと、知りません?>

わー、左大将さん、良かったですねー!「とゞこほる」は、「氷る」の意を 利かせて、お返事としてすごく上手な歌ですね。
でも、こんな歌のお返事も さっとできる馬内侍さん、やはりすごく人気があって、 華やかな交際で知られた人でした。左大将さん、もうこれで彼女は 僕のものって思ったかもしれませんが、馬内侍さんが一枚上、 ほんとは分からないでしょうね。(笑)
さあ、夏には氷、かき氷が美味しいですね。

甘味処 金花糖/石川県金沢市長町 3-8-12/tel 076-221-2087