今月は
2023年 5月は
いい時節になりました。
先月はまだ寒い日もけっこうありましたが、だんだん暖かい日が多くなって、
今月はここ金沢ではいよいよストーブも片付けてという時期になります。
やはり暖房もそして冷房もなしという時節は室内はもちろん、
なんといっても外出が楽です。
早朝に公園のお掃除とか言っても、気軽に行けます。
今月は心も軽く楽しみたいですね。
今月の金花糖は、春から初夏への時節ということで、
メニューも夏前の合いのメニューになります。
そして寒くも暑くもなくの時節、 おすすめメニューに、紅茶あんみつはいかがでしょうか。
紅茶あんみつは、濃いめアールグレーの紅茶寒天が主役のあんみつです。
まずベースには紅茶寒天がたっぷり入り、
その上に丹波大納言の餡と、自家製アイスが載せられます。
色どりには苺、キウイと生クリームが添えられています。
固定ファンがとても多い大変好評のメニューです。
特製の白蜜が付いて、お好みの甘さで紅茶寒天の味わいを楽しんでいただけます。
今月は金花糖で、ぜひ紅茶あんみつをご賞味くださいね。
では、春の終わりを詠んだ凡河内躬恒(おおしこうちの みつね)の歌です。
前書きがあります。
春のすぐに過ぎてしまったことを詠みました。
あづさゆみ春たちしより年月のいるがごとくもおもほゆるかな
〔梓弓 春立ちしより 年月(としつき)の 射るがごとくも 思ほゆるかな〕
あづさ弓 春が立ってから 年月の 矢で射るようにまでも早いと 思われるものだなー
「あづさ弓」はあづさの木で作った弓なのですが、ここでは「春」に付く枕言葉です。
そして春が立つは立春ですが、旧暦の立春はほぼ元日ですから意味としては、
新春から、年が明けてからあっという間に春も終わってしまったなー、という思いです。
年のせいか(笑)この感じはよく分かります!
また「あづさ弓」という枕言葉ですが、普通はお決まりの形容詞のようなものですから、
現代語にするとただの型どおりの言葉で特に意味はないことが多いです。
でもこの歌では下の句に「射るがごとく」、矢で射るように と出てくるので、
この「あづさ弓」とつながって歌が面白くなっています。
平安の歌の名人だった躬恒さん、さすがですね。
そしてこの歌で特に面白いのは「年月の 射るがごとくも」、
年月を 弓矢で射るような、それくらい早かったという所ではないでしょうか。
これは、日めくりカレンダーの一枚一枚がぶら下がってるのを、
弓矢でビュンビュンビュンとつらぬいて行くような感じがします。
これは、確かに早いですね(笑)
「梓弓 春立ちしより 年月(としつき)の 射るがごとくも 思ほゆるかな」、
実はこの歌が詠まれたのがいつなのかは、も一つはっきりしません。
でもこんなに年月を早く感じるというのは、
やはり躬恒さん晩年になってからの歌だろうなと思います。
シンプルな歌ですが、
時間も不思議、人間も不思議、
色んなことが浮かぶ春の終わりの歌ですね。
さあ、春も終盤です。今のうち、美しい春をいっぱい楽しんでおきたいです。