今月は
2019年 2月は
今年は金沢は雪がたしかに少ないです。
ありがたいことなんですが、
でもあまり降らないと農業など様々に大変な悪影響で難しいところです。
今月は3日が節分で4日が立春です。
春といってもまだまだ寒いんですが、
でも、立春が過ぎると日は目に見えて長くなります。
そして天気のいい日には日差しが春っぽい、やはり冬とは光が違うと感じます。
冬もようやく下り坂になってくる月ですね。
そして今月の金花糖は、まだ冬が続いて静かな雰囲気です。
ストーブもボーボーと燃えています。
こんな時のおすすめは、力の出るお餅メニューということで、焼餅トリオはいかがでしょうか。
焼き餅トリオは、職人さんがペッタンペッタンついた手つきのお餅を、
三つの味わいで楽しんでいただくメニューです。
海苔を巻いた磯辺まき、丹波の黒豆きなこを使ったあべかわ、
そして抹茶味の三つの味わいがセットになっています。
冬のゆったりと落ち着いた雰囲気で、ぜひ焼餅トリオをご賞味くださいね。
では、冬の月と雪を詠んだ藤原兼房の歌です。
少し長い前書きがあります。
選子内親王が賀茂神社の斎院として、あらせられた時、 雪が降って、月の明るい夜に参りましたけれど、 女房たちは寝てしまったのでしょうか、月も見ていなかったので、 宮殿にある簾(すだれ)に結びつけました歌。
かきくらしあめふるよはやいかならん月とゆきとはかひなかりけり
〔かき暗し 雨降る夜半や いかならん 月と雪とは 甲斐なかりけり〕
空が暗い 雨降る夜は どうなるのだろう 月と雪とは 甲斐が無かったのですね。
これは兼房さん、
趣のある光景に気付かない女房たちにちょっと言ってやろうということだったのでしょう。
雪景色の月の明るい夜に参りましたが、
寝ておられました。月と雪とは、優雅な趣を見せてくれていたのですが、甲斐が無かったです。
これでは、空も暗くて雨の降る夜はどんな状態なのでしょう。
昔は今日は月が美しいとかであれば、
女房が気をきかせて、お仕えしている選子内親王に楽しんでいただけるようにすべきものでした。
兼房さんは、雪景色に明るい月、これは話も盛り上がるぞとか期待を込めて行ったのでしょうね。
しかも、昔は貴族が雪のある日に、お洒落な服で外出しようとなると大変でした。
がんばって来たのに、という思いもあったのではないでしょうか。
しかしここで思うに、女房の方にも言い分はあったような気がします。
何しろ昔は貴族の住む所といえども、冬はすごい寒かったのです。
現在、昔の建物の形が残っているのは、お寺や神社の中に入ってお参りをする大きめの部屋です。
近年建てられたお寺はいいと思いますが、昔からのお寺は、冬はもうほんとに寒いです。
加えて昔の貴族の暖房は炭火だけでした。
そこで部屋を衝立などで仕切って暖房効率を良くして、
そして何枚でも出来るだけ厚着をして冬を過ごしたのでした。
ですから特に用事がなければ、兼房さんには申し訳ないですが、
雪のある寒い夜などはさっさと寝てしまうかもしれません(笑) だいたい兼房さんの来た月の明るいような夜は、
雲が無いですから、
放射冷却が起きて輪をかけて寒いのです(笑) 「かき暗し 雨降る夜半や いかならん 月と雪とは 甲斐なかりけり」、
間違いなく兼房さんの風雅な趣の歌なんですが、
いろいろ考えてみると、やっぱり冬は寒い!という歌かもですね(笑)
さあ、本当に寒いのもあと少し。そう思って、元気を出して行きたいです。