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今月は

2004年 3月は

ついに,、暖かくなってきましたね。朝も明るい!日も、少し長くなったってことですね。 3月は、金花糖もお雛様をかざって、春気分いっぱいでいきたいと思います。 今月の特別メニューも3月には御馴染みの、雛祭りパフェです。
雛祭りパフェは、苺にスポンジケーキ、餡のハーモニーが楽しいのですが、 ベースになるのはなんといってもスポンジケーキ。ですからこれも、 しっかり自家製で焼いたもの使っています。春三月の雛祭りパフェ、 春気分いっぱいでお楽しみください。

さて枕草子に、 「三月つごもりころは・・・」 <三月の末ころは・・・>と書かれている ある出来事を。 当時の貴族の女性は、親しい親族や夫とか愛人以外には、男性に顔を見 せませんでした。恥づかしいと思ったようです。じゃあ男女の友達なんてな かったのかというと、そうでもないのです。清少納言には、藤原行成という 異性の友達がいました。清少納言の方が十ほど年上です。そして行成さんは、 能筆でも知られている才子でした。
ある時、行成さんはこんなことを言います

「仲よしなど人々にも言はるる。かう語らふとならば、なにかは恥づる。見 えなどもせよかし」

<「仲よしなどと、人々にも言われます。こんなふうに語り合うのなら、ど うして恥づかしがることがあるでしょうか。顔を見せなどしなさいよ」>

これは、「仲よし」という言葉の最も古い例でしょうね。でも清少納言の 方は、
「すごくブスだから、見せません。」と言うものだから、行成の方も
「だと嫌いになるかもしれない。じゃあ見せないで」 となってしまうのです。
ある朝、寝起きに、清少納言が同じ部屋で寝た女房と話していると、 すだれのすこし開いたところから、男のニコニコ顔がさし出されたのです。 あきれたことだと騒いで隠れたのですが、その顔は行成でした。

立ち出でて、「いみじく名残なくも見つるかな」・・・ 「『女は寝起きたる顔なむ、いとよき』となむいへば、ある人の局(つぼ ね)に行きて、かいま見して、またもし見えやするとて来たりつるなり」

<行成が立ち表われて、「全く心おきなく見てしまったなあ」・・・ 「『女は寝起きの顔がすごくいい』ということだから、ある人の 局に行って覗き見をして、また、もしかしてあなたの顔が見えるかもしれな いと思って、来てしまったのです」>

行成さん、やっぱりどうしても見たかったんですね。(笑) で、それから後は普通に、清少納言の部屋に入ってくるようになったそうです。
春めいた時期にぴったりの、ちょっと素敵な話ですね。

甘味処 金花糖/石川県金沢市長町 3-8-12/tel 076-221-2087