今月は
2008年 9月は
だんだん秋ですね。
暑さ寒さはありますが、何よりも日が短くなりました。
もう暗くなってしまった、そう感じます。
そして、虫も鳴いてますし。
季節の変わり目ですねー。
今月は、金花糖も季節の変わり目です。
暑い間は、くずきりなどの夏メニューですが、
暑さが過ぎたら、合いのメニューとなって、白玉ぜんざいを始めます。
白玉ぜんざいは温かいぜんざいなのですが、お餅ではなく、つるつるの白玉が入っています。
クリームあんみつとか冷たいメニューに入っている白玉を、ぜんざいに組み合わせて、
お餅より軽い感じで合いのメニューとなっています。
ぜひご賞味くださいね。
では、秋の初めの歌です。
千年前、平安時代中頃の女房だった相模(さがみ)が詠みました。
てもたゆくならすあふぎのおきどころわするばかりに秋風ぞふく
〔手もたゆく ならす扇の 置きどころ 忘るばかりに 秋風ぞ吹く〕
《手もだるく 慣らした扇の 置き所 忘れるほどに 秋風ぞ吹く》
そうですね、いつのまにかそんなことになるものですね。
そのころ扇は、暑い時にあおぐだけではなくて、
顔を隠したりとか人を招いたりとかいろいろに使いました。
またファッションの小道具としても重要なものでしたから、
扇は結構いつでも持ってるものでした。
でも夏は、やはりあおぎやすいものをいつも持っていたのでしょう。
その使い慣れた扇が、いつのまにかどこに置いたのやら、
となったわけです。こんな感覚は昔から変らないものなんですね。(笑)
そしてこの扇、実は日本の発明品らしいのです。
平安時代には、中国に輸出されていました。
木の骨に紙を張って折り畳み式になっている、
確かに器用な日本人ならではのものかもしれませんね。
次は、今月は14日が中秋の名月ですので、
その日に詠まれた源親房(ちかふさ)の歌です。
さやけさはおもひなしかと月かげをこよひとしらぬ人にとはばや
〔さやけさは 思ひなしかと 月影を 今宵と知らぬ 人に問はばや〕
《さやけさは 思い込みかと 月光を 今宵と知らぬ 人に問いたい》
面白いですね!!
「さやけさ」は、さえてくっきりしていることを言います。
たしかに、名月だーと思って見れば、今夜は特に美しいとか思ってしまうもの。
でも親房さんは、そうは思うんだけど、でも確かに「さやけさ」が
いつもより素晴らしいと思う・・・ それで、
これは今宵が中秋の名月だと知らない人に聞いてみたい!! と思ったのでしょう。
親房さんは850年くらい前の人です。
そんな昔の人となると合理的な考え方なんて無かったとか思いがちですが、
偏見のない人に聞いてみたいと詠んでるのですから、
いやいやなかなか合理的です。
でも、そんなことまで考えさせてしまうほど、
やっぱり中秋の名月は美しいということなのではないでしょうか。
14日の夜、お天気はどうなるでしょうか。
中秋の名月は、インターネットで見てもしょうがないですからね(笑)