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今月は

2020年 7月は

今月は梅雨明け、いよいよ本格的に夏が来ますね。 まあ夏になれば今度はもう暑くて大変。 しかも今年はマスク付き! それは分かってはいるんですが、 それでも梅雨が明けた時の、 急にセミが鳴きだして、 空気がからっとなって軽くなったような感じは、やっぱり気持ちがいいものです。 そして何といっても明るさが夏の雰囲気です。 しかし、その強い日差しは昔は健康の象徴だったのですが、 今や猛暑と紫外線で健康の悪者に。 でもそこはなんとかガードして、やはり夏の明るさを楽しみたいものですね。
金花糖も、今月は夏メニューになります。 中頃までは好評のわらび餅を続けまして、 時節を見て、くずきり、氷の夏のメニューにいたします。 くずきりは、吉野本葛を使ったものですから、ほんとに美味しいです。 本葛のくずきりは、時間が経つと固くなりますから、作り置きができません。 ですから必ずご注文をいただいてから作っています。 少しお時間をいただきますが、くずきり本来の味わいを楽しんでいただけます。 蜜は黒蜜、抹茶蜜の2種類をお付け致しますので、 お好みで味わっていただけます。 今月は金花糖で、ぜひくずきりをご賞味くださいね。
では、七夕の良暹(りょうせん)法師の歌です。前書きがあります。

七夕の、二人が寝た別れの朝の心を詠みました。

あふよとはたれかはしらぬたなばたのあくるそらをもつつまざらなん
〔逢う夜とは 誰かは知らぬ 七夕の 明くる空をも つつまざらなん〕

逢う夜だとは 誰が知らないだろうか 七夕の 明ける空であっても 慎むことなく急がないで欲しいなー。
七夕の明くる朝、一年ぶりに寝た織女と牽牛に、 人目を気にせず、朝は急がずゆっくりにして下さいとお願いした歌です。 まあ余計なお世話ですが(笑)
昔は七夕というのは、みんなほんとに関心があって盛り上がる行事でした。 やはり一年に一度しか逢えない恋人どうしが出逢うという、 ほんとにロマンチックな設定がいいですね。 元は中国から伝わった行事なわけですが、 それを日本の自分達の身にあったらどうかみたいに、あれこれ考えて盛り上がったのです。
中国のお話では、織女がその日にだけ架かる橋を渡って逢いに行くのですが、 日本では男が女のところに行くという風習ですから、 もうそういう話になります(笑) で、男が行くわけですから天の川も、 浅瀬をたどりながら歩いて渡るとか、舟を漕いで行くという想像になるのです。
この歌も、その日本風の想像です。 日本では男は夜に、暗くなったら女の家に入り、朝はまだ暗いうちに出るのです。 朝明るくなってから女の家を出るというのは、男にとっても女にとっても、慎みのないマナー違反のようなことでした。 ましてそれを見られるというのは、とても恥ずかしいことだったのです。
そこで良暹(りょうせん)さんは、みんな見ているけれど、 事情は分かっているのだから、夜が明けても急がないでと詠んだわけです。 「逢う夜とは 誰かは知らぬ 七夕の 明くる空をも つつまざらなん」、 ゆっくりと楽しんでください。 良暹さんは偉いお坊さんだったのですが、なんとも粋な歌ですね(笑)
さあ、夏が来ます。 湿気から暑さになりますが、しっかり健康管理で乗り切りたいです。

甘味処 金花糖/石川県金沢市長町 3-8-12/tel 076-221-2087