今月は
2006年 6月は
すっかり暖かくなったのですが、6月は梅雨ですよね。
金花糖も、梅雨はしっとりした雰囲気となりますね。
でも、庭に降っている雨、濡れた緑もほんとにいいものです。
ぜひ、ゆっくりとお楽しみいただければと思います。
もう、わらびもち、きなこアイスと夏メニューが始まっています。
鯛焼きも、名物の冷鯛(ひやったい)が始まりました。
美味しい甘みで、梅雨の時節も楽しみましょう。
では梅雨、五月雨(さみだれ)を詠んだ藤原良経(よしつね)の歌です。
うちしめり あやめぞかをる 時鳥(ほととぎす) 鳴くや五月(さつき)の 雨の夕暮
<しっとりと ショウブが薫る ほととぎす 鳴く梅雨の空 雨の夕暮>
これは、ほんとに梅雨の頃らしいですね。
昔は旧暦ですから、今の六月は五月にあたります。
その五日の節句には「あやめ」、今のショウブなのですが、
それをを家の軒に挿したり、身に付けたりするという慣習がありました。
しっとりと湿った空気の中で、
まさにショウブの薫りに包まれるような感覚だったのだと思います。
五月雨の歌には、ほととぎすもよく登場します。
その頃、ほととぎすの声は人の恋しさを誘うような鳴き声と感じられ、
すごく楽しみにされたからでした。
ですから、とくに恋の歌には付き物のように出てきます。
藤原公任(ふじわらのきんとう)の、そういう恋の歌を
時鳥 いつかと待ちし あやめ草 今日はいかなる 音(ね)にか鳴くべき
<ほととぎす いつかなと待って あやめの日 今日はどのように 鳴けばよいのか>
これは、馬内侍(うまのないし)さんという人にあてた、恋の誘いの歌でした。
好きだったんだけど、打ち明けたかったんだけど、
ほととぎす、つまり自分はどうお誘いすればいいのでしょうか、という歌なのです。
公任さんは大納言も勤めた教養も高い人でしたが、馬内侍さんも、
宮廷でバリバリのキャリアを持った人気女房でした。で、そのお返事なんですが
五月雨は 空おぼれする 郭公(ほととぎす) 時に鳴く音は 人もとがめず
<さみだれの 空とぼけてる ほととぎす そんな鳴く音は 気にとまらない>
ショボーン!!ふられましたね。(笑) でもまあ梅雨ですから、降られた、というオチで!(笑)