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今月は

2022年 9月は

暑さも少し和らぎましたね。 もちろんまだ暑いでのすが、夜には虫の音が聞こえます。 先月は夏の暑さに時々梅雨のような、なんかややこしい天気でしたね。 今月は10日が中秋の名月ですからなんとかすっきりした天気であってほしいです。 中秋の名月となれば気分は秋です。 そして暑さ寒さも彼岸まで、少しづつほんとに秋らしくなってきますね。 早く過ごしやすい時節が来てくれるのを期待したいです。
金花糖も、今月は秋の雰囲気になります。 庭もだんだんと秋らしい景色になってきます。 そしてだんだん秋の今月は、「抹茶ぜんざい」 はいかがでしょうか。 「抹茶ぜんざい」は、丹波大納言の餡と、 自家製アイスの美味しさをそのまま楽しんでいただくメニューです。 餡の上にアイスが載って、抹茶の濃茶がかかります。 そして彩りに金箔と白玉が添えられています。 濃茶はシロップではなく、お点前で使う抹茶を使っていますので、 餡とアイスの美味しさが一段と深い味わいです。 ほんとに美味しいメニューです。 今月は金花糖で、ぜひ「抹茶ぜんざい」をご賞味くださいね。
では、秋の月を詠んだ九条良経(よしつね)の歌です。

雲はみな払ひはてたる秋かぜを松にのこして月をみるかな
〔雲は皆 払ひ果てたる 秋風を 松に残して 月を見るかな〕

雲はみな 全て払ってしまった 秋風が 松を鳴らす音に残されて、月を見ている・・・
松風を聞きながら、月を見る。風流な歌ですねー。
月を眺めるというと、普通は静かな秋の夜が趣があっていいように思ってしまいます。 でも良経さんは、秋の風が吹き鳴らす松風、 その音を味わいながら月を見た趣は素晴らしいと思ったのです。 松がざわざわしてうるさいね、なんて思ったら風流ではないわけです(笑)
思うに、月に松そして風というのはそれなりにある景色です。 でもそれを、秋風を 松に残して・・・ と詠まれると何か色んな想像が広がります。 ここで名月と松風の趣を作り出したのはまさに秋風です。 秋の風がまあドラマのように活躍しています。
初めに月には雲がかかっていました。 その雲を、秋風がすかっりきれいに吹き払ってくれたのです。 これは嬉しかったでしょうね。 そして良経さんは、雲が消えてもまだ松の梢がそよそよと鳴っているのに気づきます。 雲を吹き払ってくれた秋風は、まだ松に残っている。 澄み切った名月を作った秋の風は、松風も用意してくれたのだ、 そう思いながら良経さんは月を楽しんだのでしょうね。
「雲は皆 払ひ果てたる 秋風を 松に残して 月を見るかな」、 良経さんは書の名人でもありました。 この歌もさらさらさらと書かれたのでしょう。 そして、なんと新古今和歌集の序文を書かれたという方でもあります。 さすが、秋らしい趣きが見事に詠まれた歌ですね。
さあ、秋が来ます。 風流もいいですが、秋刀魚、さつまいもと秋の味覚もいっぱい。 やっぱりまずは味覚の秋ですかね(笑)

甘味処 金花糖/石川県金沢市長町 3-8-12/tel 076-221-2087