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今月は

2022年 8月は

ほんとに暑いですね。 ついつい氷水とか冷たい西瓜とか冷たいものばかりになりがちです。 でも食事の方は、心して夏でも野菜いっぱいのバランス食を心がけたいです。 やはり食事によって疲れ方にも違いが出るような気がします。 特に年が行くほどです(笑)
そして今月は7日が立秋です。 早いなーとか思うんですが、立春が節分の次の日で2月4日でしたから、 ちょうどその半年後ということで8月7日になるわけです。 残暑も大変ですが、 まあ少しずつ秋も来ているということで、気持ちいい時節を待ちたいです。
金花糖も今月は、もちろん夏メニューです。 夏のメニューで一番人気と言えば、毎年大好評の氷宇治金時です。 金花糖の氷宇治金時は、餡は丹波大納言に、 そして抹茶の深い味わいがしっかりと生かされた抹茶蜜で、 とても美味しいと大変好評です。 また氷金時は、餡の上品な味わいが特徴で、これもとっても美味しいです。 暑い夏はぜひ金花糖で、氷金時、氷宇治金時をご賞味くださいね。
では、夏に詠まれた歌です。よみ人知らずです。

玉匣あけつるほどのほととぎすただふたこゑもなきてこしかな
〔玉匣(たまくしげ) 明けつるほどの ほととぎす ただ二声も 鳴きて来(こ)しかな〕

玉匣は枕言葉です。 夜が明けそうな頃に来た ほととぎすさん 何処かで何事もなく二声も 鳴いてから来たんですね。
実はこれは女の人が、夜明け頃になってようやく来た男に対して、 あなたは別の女の所をハシゴしてから来たんだねと、言ってやったという歌です(笑)
昔は、男女が逢うのは必ず夜でした。 まず男の方が日が暮れてから女の家に行き、そしてまだ薄暗い夜明けまでに男は女の家を出る、そういう作法でした。 これを守らないのは恥ずかしいことでした。 すると夜が長い秋冬はいいんですが、夏は時間がありません。 まして男と女が逢っていれば時間はすぐに経ってしまいます。 それを詠んだよく知られた歌もありました。

夏の夜の 臥(ふ)すかとすれば ほととぎす 鳴く一声に 明くる東雲(しののめ)
《夏の夜は、寝たかと思うと ほととぎすが、鳴く一声で 夜が明ける》

面白い歌ですね。 よみ人知らずさんはこの歌から引いて詠んだわけです。 あなたは、一声どころか二声も鳴いてから来たんだね!ということです。
男とはたぶん今晩逢おうという約束があったのでしょう。 ところがいつまで経っても来ない! そしてもう夜明けかという頃に、のこのことやって来た。
これはもう頭に来ます。 たぶん別の女の所に行ったら盛り上がってしまい、 なにしろ夏の夜は短いのであっという間に時間が経ってしまったんでしょうね(笑) 「玉匣(たまくしげ) 明けつるほどの ほととぎす ただ二声も 鳴きて来しかな」、 これは男は家にも入れてもらえません(笑) でも、それにしても歌を詠んだよみ人知らずさん、よくこんな頭に血が上ったような時に歌が詠めたものですね。 これはもう何か思えば歌になる、まさにそんな時代ならではの歌ですね。
さあ、暑さも真っ盛り。たっぷり水分補給して、精神的にもカッカしないで乗り切りたいですね。

甘味処 金花糖/石川県金沢市長町 3-8-12/tel 076-221-2087