今月は
2008年 5月は
爽やかな時節になりました。5月はいいですね。
外出してもほんとに気持がいいですし、初めにお休みもいっぱいあって。
そういえば今年は祭日の並びがもひとつ。まるまる土日と重なってしまいました。
こういう年もあるわけですね。
来年は5連休みたいです。来年の話をしてもしょうがないですが。(笑)
そして今月の金花糖は、季節メニューが冬から夏への合いのメニューとなって、
白玉ぜんざいを致します。
あったかいぜんざいなのですが、お餅のかわりに、
夏の氷などにも使う白玉が入っています。
つるつるのほんとに滑らかな白玉で、
暖かくなったけど冷たいものまではまだ、という今の時節にはピッタリです。
ぜひ今月は、白玉ぜんざいをご賞味くださいね。
では、ホトトギスを詠んだ和泉式部の歌です。
いくたびか身には聞きつる郭公みちの空にもほのかなるかな
〔幾度か 身には聞きつる ほととぎす 道の空にも 仄かなるかな〕
《幾度か 身近に聞いた ホトトギス 道の空にも 仄かに聞こえて》
身近にはもう何度も聞いていたホトトギスの声。
それが道にいるとき、空に小さく聞こえた。
ホトギスの声が、遠くから爽やかな空気を通って響いてきたのでしょう。
世が、爽やかな空気に満たされたような、そんな思いがしたのではないでしょうか。
「みちの空にも ほのかなるかな」、
今の時節の、ほんとに気持ちのいい空気を感じる歌ですね!!
次も、ホトトギスの声の歌ですが、読人しらずです。
ほととぎす夢かうつつかあさつゆのおきて別れし暁のこゑ
《ほととぎす 夢か現(うつつ)か 朝露の おきて別れし 暁の声》
この「朝霧の」は、「おきて」の枕言葉なのですが、この歌では意味があるのではないでしょうか。
二人で夜を過ごし、別れてゆく暁は朝霧に包まれていた。
全てが白く霞んで見える世で、
聞こえたホトトギスの声は現実だったのか夢だったのか。
それは、あの人との夜が、
夢か現実か分からないほどの時間だったからでしょう。
朝霧が消えると共に夢のような思いからも覚める。
「夢かうつつか」分からぬ一夜の最後にあった、
暁のほととぎすの声。
それが、現実に戻る境目の声として思いに残ったのでしょう。
「あさつゆの おきて別れし 暁のこゑ」、それはほんとに、夢かうつつか・・・・
さあ、5月です。
「夢かうつつか」とまではいかなくても(笑) 気持のいい時節を楽しみたいですね。