今月は
2023年 10月は
秋らしくなりました。
秋はやっぱり落ち着きますね。
何か季節の雰囲気ということもありますが、夏冬は暑さ対策寒さ対策、これだけで精神的に追われてしまいます。
秋は静けさに虫の音が風情を添えて、やはり落ち着いた趣ですね。
ほんとうに静かなのは冬の雪の中ですが、雪の静けさは積雪が心配になりますし。
やっぱり秋。
この秋を、ゆっくり楽しみたいですね。
金花糖も今月は、もうすっかり秋の雰囲気です。
庭の眺めも秋の趣いっぱいです。
そんな秋の気分に、紅茶あんみつはいかがでしょうか。
紅茶あんみつは、濃いめアールグレーを使った紅茶寒天を主役にしたあんみつです。
ベースには紅茶寒天がたっぷり入って、
その上に丹波大納言の餡と、自家製アイスが載せられます。
色どりに生クリームと苺やキウイが添えられ、
固定ファンの大変多いメニューです。
特製の白蜜も付いて、 お好みの甘さで紅茶寒天の味を楽しんでいただけます。
今月は金花糖で、ぜひ紅茶あんみつをご賞味くださいね。
では、秋を詠んだ小野小町の歌です。
小町さんと言えばもちろん美人の代名詞。百人一首の絵にも、後姿で描かれている方ですね。
ふきむすぶ風はむかしの秋ながらありしにもにぬ袖の露かな
〔吹き結ぶ 風は昔の 秋ながら 在りしにも似ぬ 袖の露かな〕
秋風が吹き草が露に濡れる 風は昔と同じ 秋ではあるけれど 昔の私に在ることはなかった 袖が露に濡れている・・・。
袖の露は涙を意味します。
これは小町さん晩年の歌ですね。
若い頃は涙には縁が無かった。
古来、これぞ美人という人だったわけですから、
人を泣かすことはあっても泣くことはなかったのかもですね。
小町さんも年を取ったわけです。
どんな美しい人であってもこれは受け入れるしかありません。
美人の辛さまでは分かりませんが、
実際に自分が年を取ってみると確かにほんとにいいことがないですね(笑)
美人の代名詞といえば、世界ではまずクレオパトラの名があがります。
クレオパトラの方は様々な事件があって、30代の後半でもう亡くなっています。
せっかくですから話は少し横道に・・・ クレオパトラは、
あのローマの英雄シーザーを惑わし愛人となります。
しかしシーザーは暗殺されてしまうのです。
すると、そのシーザーの後継者であろうとしたアントニウスを惑わして、ついにクレオパトラ、アントニウス連合軍とローマの大戦争に!
しかし、二人はエジプトに逃げ帰ることになります。
これだけでも大変な話なのですが、でも問題はここからです!!
そこでクレオパトラは、自分がアントニウスを不幸にしてしまったのでもうアントニウスに逢ってはならないと思い、
自分は死んでしまったという嘘の知らせをアントニウスに伝えるのです。
それを聞いたアントニウスは、悲嘆のあまり自殺をはかってしまいます。
でもその知らせが嘘と分かると、瀕死のアントニウスは急いでクレオパトラの所に運ばれ、
狂ったように嘆き悲しむクレオパトラのもとで息絶えることになります。
クレオパトラは、今までこれほど不幸な時はなかったと嘆き、まもなく黄金のベッドで亡くなっている姿が発見されます。
服毒か? 毒蛇か? もう、これぞ大ドラマですね。
小町さんの方は、いつ何歳で亡くなったのかも不明です。
でもこの歌の 「在りしにも似ぬ 袖の露かな」、昔の私にはなかったのです 袖が露に濡れて・・・ と、
こういう言葉などから年老いて生きた時代もあったことが分かるわけです。
そしてそこから、小町さんは老醜で辛い老後だったという伝説が広まったようです。
しかしそれは全く真偽は不明の話です。
老後が大変なのは誰にもあることでしょうし、
またその中にも、老後ならではの喜びもきっとあったことでしょう。
加えて小町さんは何といっても歌の名人でした。
ですから、それだけでも年老いても大切にされたような気がします。
「吹き結ぶ 風は昔の 秋ながら 在りしにも似ぬ 袖の露かな」、
この歌のような悲しい時が時折あったとしても、
小町さんは古来の美人にありがちな戦争や政変に巻き込まれることもなく、
平穏な老後であったと、そう信じたいですね。
さあ、秋です。
まず落ち着いて、ゆっくりと身も心も楽しむ、そう行きたいです。
出来ればですが(笑)