今月は
一年が経ちました。今年はいかがでしたでしょうか。
カレンダーが始まったころは、
12月なんていつ来るのやらとか思っているんですが(笑) 2019年も終わりまで来てしまいました。
来年はいよいよ 2020年ですね。
実は金花糖が開店しましたのは、ちょうど2000年でした。
ですから来年は 20周年を迎えることになります。
ほんとにこんなに長く続けられるとは思っていませんでした。
皆様のお蔭で、なんとか来ることができました。
本当にありがとうございました ≦(__)≧
これからも、寄る年波ということはありますが(笑) 手作りでより美味しいものをと、工夫を重ねてまいります。
よろしくお願い致します。
そして12月の金花糖は、冬はゆったりの静かな雰囲気です。
なんだかんだで気ぜわしい十二月ですが、
庭の冬景色を眺めて、静かにくつろがれてはいかがでしょうか。
冬のメニューといえば、定番はやはりぜんざいです。
なんといってもお餅は体が暖まって元気も出ます。
金花糖のぜんざいは、職人さんが手でペッタンペッタンついたお餅です。
そして餡は丹波大納言、ほんとに美味しいです。
今月はぜひ金花糖で、ぜんざいをご賞味くださいね。
では、年の暮を詠んだ藤原良経(よしつね)の歌です。
ひととせをながめはてつるやまのはにゆききえなばと花やまつらむ
〔一年(ひととせ)を 眺め果てつる 山の端(は)に 雪消えなばと 花や待つらむ〕
一年を すべて眺め終った あの山の端に 雪が消えたならばと 桜を待つのだろうなー。
年の終わりに山を眺めてこの一年を思い、春が来たら、
また桜が咲くのを心待ちにするのだなーと思いを馳せたのです。
来る年の、花を楽しみに年を終える。いやー、いいですね。
昔は桜といえば山桜、花見は山へ見に行くものでした。
でも今のように桜情報があるわけもなく、
遠くから山を眺めて咲いたかどうかを判断するわけです。
その時に見るのが山の端(は)、
遠くから山を見た時の、空との境い目です。
今の言葉なら稜線ですが、やはり趣がもひとつ(笑) 遠くの山の木の様子を見るときに、
山の端は空が背景になりますから見え易いのでしょう。
雪が消えて、山の端に、白い霞のようなものが見えたら桜です!
また昔の人は、色々何かと山の端を見ていたのです。
まず昔は室内の照明が、高さが1m程の台に載せた小皿に、油を入れて灯心で燃やすものでした。
座ったときに近くに置く低いものもありましたが、いずれにしても灯心で燃やす火が照明でした。
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そうなると太陽や月の出入りは、まさに日常的な関心事です。 そして今のような精密な天体観測も、もちろん正確な時計もありません。 山の端は、自然に日々見つめるものだったでしょう。
また男と女の関係にも、山の端は関わりがありました。 昔は夜が、男と女が逢う時間でした。 男は日が暮れてから女の家に入り、夜が明けないうちに出るのです。 これが決まり事で、夜が明けてから出るというのは慎みのない恥ずかしい事でした。
男は女を思いながら山の端に日が沈むのを待ち、 そして明け方は、山の端がほんのり赤くなるぎりぎりまで居ようとするのです。
ですから年の終わりに、 一年を眺め終ったあの山の端に・・・ と感慨を持つのも、もっともということなんですね。 「一年(ひととせ)を 眺め果てつる 山の端(は)に 雪消えなばと 花や待つらむ」、 山の端を眺めて浮かんでくる様々な思い、そして来る年に花を待つ。 まさに、一年の締めくくりにふさわしい歌ですね。
さあ、ついに年越しです。 大晦日はお蕎麦を食べて、そして来年がよい年でありますように !!