今月は
2016年 8月は
ほんとに暑いです。
夏になりました。
今年の梅雨は、もう蒸し暑いという感じで大変でしたから、
梅雨が明けてちょっとほっとしました。
夏は温度は上がりますが、やはり気分が明るくなりますね。
服も軽いですし、とにかくいろんな所に行こうという気が沸いてきます。
確かにあんまり暑いと外へ出る気も失せるんですが(笑)、でも今月は7日が立秋です。
今年の残暑はどうでしょうか。
しっかり水分補給で、今月は活動的に行きたいですね。
金花糖も今月は、すっかり夏メニューです。
そして夏のメニューといえばやはり大好評の、氷宇治金時です。
金花糖の氷宇治金時は、丹波大納言の餡に、
抹茶の味わいが特に深い抹茶蜜がかかって、
すごく美味しいと大変好評です。
そして、氷金時は、餡の上品な味わいが格別。とても美味しいです。
暑い夏はぜひ金花糖で、氷金時、氷宇治金時をご賞味くださいね。
では、夏の恋を詠んだ和泉式部の歌です。
とこなつにおきふす露はなになれやあつれてせこがまどほなるらん
〔常夏に おきふす露は 何なれや 暑(あつ)れて夫子(せこ)が 間遠(まどほ)なるらん〕
いつもの夏の床に 起きては寝ては、
常夏(ナデシコの古名)に置く露のような涙は 何なのか・・・ 暑さに弱って彼が 来る間が遠くなっているのだろう。
暑さのせいなのか、彼がなかなか来ないので私は寝ても覚めても涙です。
気持は分かりますね。
昔は男女が一緒に住むというのは、普通は結婚して何年も経ってからのことで、
とにかく日々、夜になると男が女のもとに通っていました。
そして朝は必ず暗いうちに家を出て戻る。
交通手段といえば、歩くか牛車ですからなかなか大変です。
まして暑い夏ともなれば、昼にどっと疲れると、
体力が勝つか、愛が勝つかとなるのかもしれません。
加えてその頃のダンディズムで、夏は汗で大変だから女の相手はしないよ、というのもあったそうです。
まあもちろん冷房とか無いですから、それもかっこいいのかもしれないです。
とにかくそう考えると、昔は夏は恋に向かない時節だったのかもしれませんね。
でも、この歌の和泉式部さんの場合は、連絡のお手紙も無かったのではないでしょうか。
だから暑さで体でも悪くなったのか、とも思ったわけです。
涙が 「常夏に おきふす露」、ナデシコに置く露のような涙ということで、赤い涙ということですね。
これは泣いて涙が尽きてしまうと、血の涙が出るという話から出た言い方ですから、
ここは、涙も枯れ果てて、という意と思います。
「常夏に おきふす露は 何なれや 暑(あつ)れて夫子(せこ)が 間遠(まどほ)なるらん」、
恋の熱もいっぱいですが、暑さもまたいっぱいの恋の歌ですね。
次は、藤原良経の歌です。
かげふかきそとものならのゆふすずみひときがもとに秋かぜぞふく
〔影深き 背面(そとも)の楢の 夕涼み 一木が本に 秋風ぞ吹く〕
影が深く射す 北側の楢の 夕涼み 一本の木のもとに 秋風が吹く。
楢の木が北側にあって、これは夕涼みに絶好の場所ですね。
「影深き」 ですから、何か高い建物の北側なのかもしれません、
とにかく日が一番高い南にある時でも、かなり影が出来るような所ではないでしょうか。
そして木陰は、ほんとに暑い日でも、風があるとたしかに心地いい涼しさがありますね。
楢の木ということで、これは葉が広くて大きいですから、
良経さんはまさにこの木陰で涼しさを満喫していたのでしょう。
ですからこういう所は、
立秋も過ぎてちょっと暑さが和らいでくると単に涼しいという感じだけでなくて、
きっともう秋が感じられるのです。
一本の木のもとにだけ、秋風が吹いているのです。
「影深き 背面(そとも)の楢の 夕涼み 一木が本に 秋風ぞ吹く」、
立秋が過ぎてもまだまだ暑いけど、ここには秋が見えている。
夏から秋へ、季節の移り変わりを感じながら行く、
そんな日本人らしい感性の歌ですね。
さあ、夏です。
暑さに疲れたら、早めに涼しい所で一休みということで。