今月は
2019年 10月は
先月はすごく暑かったかと思うと、どっと涼しくなったりとか寒暖が大きかったですが、
お彼岸あたりには秋らしくなりました。
さすがの雑草の勢いもなくなって、そうなると寂しい感じもしますが、
まあとにかく秋ということですね(笑)
そして、秋はまさに行楽の秋。いろんな楽しみのある季節です。
食欲でも、サツマイモや栗、柿などなどスーパーに並んでいます。
日はどっと短くなりましたが、
読書や映画、今どきはインターネットもあって、やはり秋の夜長を楽しんで行きたいですね。
金花糖も今月は、もうすっかり秋の雰囲気です。
庭の眺めも、静かな秋の趣です。
そんな落ち着いた秋の気分に、 紅茶あんみつはいかがでしょうか。
紅茶あんみつは、 濃いめアールグレーの紅茶寒天が主役のあんみつです。
ベースには紅茶寒天がたっぷり入ります。
その上に丹波大納言の餡と、自家製アイスが載せられます。
色どりに、生クリームと苺やキウイが添えられて、
固定ファンの大変多いメニューです。
特製の白蜜も付きますので、お好みの甘さで紅茶寒天の味わいを楽しんでいただけます。
今月は金花糖で、ぜひ紅茶あんみつをご賞味くださいね。
では、秋の紫式部の歌です。二つの前書きが伝わっています。
「琴をしばらくだけ」と言っておりました人から、「参りまして直接お習いしたいのです」とありました返事に。
上東門院にお仕えしておりまして、里に出ました頃、 女房から便りのついでに、「琴を習いに参りたいのです」と言ってまいりました返事に送りました。
つゆしげきよもぎが中のむしのねをおぼろけにてや人のたづねん
〔露しげき 蓬(よもぎ)が中の 虫の音を おぼろけにてや 人の尋ねん〕
露がいっぱいの 蓬(よもぎ)の中の 虫の音を、雑草だらけの蓬の中の我が家の琴の音を、
いい加減な気持ちで あなたが尋ねようとするでしょうか。
紫式部は琴も上手だったんですね。
返事の歌は、 いい加減ではなく真剣に習いたいというお気持ちを、
私がお受けしないはずはありませんという意になります。
おそらく気持ちのいい人からの申し入れだったのではないかとは思いますが、
相手の気持ちにきちんと応える紫式部の真面目さも表れています。
歌に 「蓬が中の・・・」 とありますが、
蓬はその頃、手入れのされていない荒れた家に生い茂る雑草のお決まりのものでした。
ほんとに蓬ばかりということもなかったとは思いますが、
やはり、源氏物語にも荒れ果てた家の場面で登場します。
いかにぞ。昔のあとも見えぬ蓬のしげさかな・・・
〔どうなのか。昔の面影も見えない蓬の繁り方だなー ・・・〕(源氏物語)
歌では紫式部はもちろん自分の家を卑下して言っているわけで、
蓬は放っておくと 50センチ以上にもなりますから、
ましてそこに露がいっぱい溜まったりすれば、
もし本当なら紫式部さんの家は確かに大変です(笑)
それにしても、昔はこういう頼み事の返事も歌でお返ししたわけですね。
優雅な時代です。
歌には紫式部の真面目な人柄も表れて、もちろん秋の季節も詠み込まれて、
「露しげき 蓬(よもぎ)が中の 虫の音を おぼろけにてや 人の尋ねん」、
歌のお返事をもらった人も、きっと庭の虫の音を聞きながらこの歌を読むのでしょう。
その虫の音に、
琴の音が重なるのを思い浮かべながら・・・ 優雅な時代の、
本当に素敵なお便りの歌ですね。
さあ、だんだん秋も深くなってきます。
出来るならまあ優雅にとか行きたいわけですが、縁がないかも(笑)