今月は
2022年 5月は
いやーいい時節になりましたね。
少し前までは寒くはないんですが、
まだ寒暖があって朝晩は風が冷たい時とかありましたが、
ようやく爽やかに過ごせる時節が来ました。
ここ金沢では、暖房も冷房もなしという時が短いのですが、
今月からしばらくそんな時が過ごせます。
ありがたい時節をゆっくり楽しみたいですね。
今月の金花糖は、初夏ということでメニューも夏前の合いメニューに変わります。
そして寒くもなく暑くもなくの時節、 おすすめメニューには、紅茶あんみつはいかがでしょうか。
紅茶あんみつは、濃いめアールグレーの紅茶寒天が主役のあんみつです。
まずベースに紅茶寒天がたっぷり入って、
その上に丹波大納言の餡と、自家製アイスが載せられて、
色どりに苺、キウイと生クリームが添えられます。
固定ファンがとても多い大好評のメニューです。
特製の白蜜が付いて、お好みの甘さで紅茶寒天の味を楽しんでいただけます。
今月は金花糖で、ぜひ紅茶あんみつをご賞味くださいね。
では、山吹を詠んだよみ人知らずの歌です。
山ぶきはあやななさきそ花見むとうゑけむ君がこよひこなくに
〔山吹は あやなな咲きそ 花見むと 植えけむ君が 今宵来なくに〕
山吹は かいが無いよ咲かないでね 花を見たいと 植えたと思うあの方が 今宵は来ないのですよ。
思うに、これは男が来るのを待っていたのに、急に今日は行けなくなったとか連絡があって、
それでがっかりの女が、山吹に少しだけ当たって詠んだ歌ということなのではないでしょうか。
昔は、急に行けないとかの連絡なんてどうしていたのかと思ってしまうのですが、
それは連絡は手紙か口伝えなんですが、
書いたものをとにかく直ぐに使いの人が持って行くわけです。
ですからそんな時間はかからないのです。
返事も、届けた人が返事が書かれるのを待っていてそのまま持ち帰りますから、さほどでもないというわけです。
ただ昔は、女の人の方はひたすら待つ身でした。
逢う時は男の方が女の家に行くものと決まっていました。
これは女の方が不自由だったということもあると思いますが、
昔の結婚が、男が毎晩女の家に通う「通い婚」という形だったこともあると思います。
加えて平安の頃はその通い婚を、女の家が、婿入りとして認めて男の世話をする形になったのです。
かの源氏物語でも、光源氏は左大臣の娘に婿入りしています。
つまり男が女の家に入る風習だったということもあって(もちろん天皇家は例外です)
逢う時は女は待つ身となったと思います。
ですから、急に行けないなんて手紙が来たら女の方はもうどうしようもなくて、
まあ、何かに当たることにもなったと思います。
男の方は、この女の人と逢うときは、
春には山吹の花が咲いてたらいいなとか思ってきっと山吹を植えたのでしょう。
ま、想像ですが(笑)。女の方もそれはなんとなく分かっていたので、
男が来れないみたいに言ってきた時についムッとかなって、
「山吹さん、あなた咲いてもしょうがないよ。咲かない方がいいですよ」となってしまったわけです (想像!)
「山吹は あやなな咲きそ 花見むと 植えけむ君が 今宵来なくに」、
ひょっとしたら女の方は男が来たら、
「この山吹は、あなたが来るのに合わせて今日咲いたのですよ」とか言いたかったのかもしれないです・・
と、想像が想像を呼ぶような、これは晩春の趣きの面白い歌ですね。
さあ、春も終盤です。美しい春を存分に楽しんで、夏に向かって行きたいですね。