今月は
2019年 5月は
令和です。おめでたいです。
初めて聞いたとき、音の美しい年号だなと思いました。
まあ、漢字の色々な意味を取りざたする話もありましたが、
どんな漢字にも様々な意味があるものなので言えば切りがないかなと。
例えば平成の平は、平和的な意しかないと思いがちですが、
平の字形の意味を見てみると
平・・・ 手斧で木を削り平らかにする。その破片が左右に飛ぶ形。(字通 / 白川 靜)
「破片が左右に飛ぶ」 ですから、まるで邪魔な凸凹を、斧で切って飛ばすような意味の字形です。
ですから平という字は、力ずくのような乱暴な意も含んでいます。
漢字というのは色々な意味があるものであって、
どんな意味として用いるのかが大事ということですね。
やはり、令和に込められた美しい意味にふさわしい時代になることを願いたいです。
今月の金花糖は、五月らしい趣で、端午の節句で兜を飾りましてお迎えいたします。
そして寒くもなく暑くもなくの時節、 おすすめのメニューには、紅茶あんみつはいかがでしょうか。
紅茶あんみつは、濃いめアールグレーの紅茶寒天が主役のあんみつです。
ベースに紅茶寒天がたっぷりと入って、
その上に丹波大納言の餡に、自家製アイスが載せられています。
色どりに苺、キウイと生クリームが添えられて、固定ファンの多い、大変好評のメニューです。
そして特製の白蜜が付きますので、お好みの甘さで紅茶寒天の味を楽しんでいただけます。
今月は金花糖で、ぜひ紅茶あんみつをご賞味くださいね。
では、春の終わりを詠んだ藤原良経(よしつね)の歌です。
くやしくぞ月と花とになれにけるやよひのそらのありあけのころ
〔悔しくぞ 月と花とに 慣れにける 弥生(やよひ)の空の 有明けの頃〕
悔しいのです 月と花とに 慣れきってしまったなー 三月の空の 有明けの月の頃。
春ももう終りに近い頃、去り行く春への思いです。
春の美しさに慣れきって、春が終って行くのが辛い・・・
昔は、いい季節は何と言っても春か秋でした。
冬は貴族といっても暖房は炭火だけですから、
服を何枚も何枚も重ねて過ごさなければなりませんでした。
夏はもちろん冷房なんてないですし、
家の中では、女性でも薄いシースルーのような服で過ごしたのです。
そうして春は花、秋は紅葉ですから、普通にいっても春には別れたくありません。
加えて良経さんは、春の月や花の美しさをまさに満喫していたんでしょうね(笑)
春は昔は、立夏になれば終わりでした。
それは旧暦でほぼ4月1日でしたので、
3月までを春としていました。
ですから春を惜しむ歌は3月の終り頃に詠んだわけです。
もちろん季節は気候としては少しずつ移って行くものですが、
昔は暦の理(ことわり)に従っていたのです。
でも今でも、気象庁は春を3月、4月、5月、
夏は6月、7月、8月と決めています。
ですから夏なのに暑くならない時でも、夏が来ないとは言わず、
「冷夏」と言うわけです。
そして春の終りが近づいたことを、良経さんは、月を見てより実感したのではないかと思います。
旧暦では、月の下旬になると、朝も月が残って見えるようになります。
有明けの月です。
その有明けの月を見ながら、
春霞のおぼろ月、色々な美しい花と過ごしてきた日々に慣れてしまったことを嘆き、
「悔しくぞ」 と思ったのでした。
「悔しくぞ 月と花とに 慣れにける 弥生の空の 有明けの頃」、
ほんとうに忘れられないほどに素敵な春だった。
でも今となってはそれが悔やまれる。
まさに、春を惜しむ思いがいっぱいの歌ですね。
さあ、爽やかなほんとにいい時節です。春も終盤ということで、心ゆくまで春を感じておきたいですね。