今月は
2024年 6月は
晴れるとほんとに気持ちのいい時節ですね。
でもしばらくで梅雨入り。
ここ金沢では、例年10日ごろになります。
そして来月の20日頃まで続きます。
梅雨に入ると湿気でじめじめだけでなく、
色々害虫さんも出てきますし、雑草も一段と勢いが付いてきます。
ですから調子がも一つでも、出来ればここは頑張っておきたいところ。
この梅雨、なんとか乗り切って行きましょう。
今月の金花糖は、梅雨にすっきりメニューということで、わらび餅をいたします。
わらび粉は、れんこんのでんぷんを使ったもので、
きなこは、黒豆きなこです。すごく美味しいわらび餅ですよ。
そして自家製の黒蜜もかかっています。
自家製の黒蜜は、とても美味しいと評判をいただいています。
また特製冷茶付きですから、梅雨のじめじめ気分にはほんとにぴったりです。
今月は金花糖で、ぜひわらび餅をご賞味くださいね。
では、雨を詠み込んだ藤原敏行の歌です。短い前書きがあります。
女に送りました。
わが恋のかずをかぞへばあまの原くもりふたがりふる雨のごと
〔我が恋の 数を数へば 天の原 曇りふたがり 降る雨のごと〕
私のあなたを恋しいと思う 数を数えたならば 天の大空が 曇り塞(ふさ)がって 降ってくる雨と同じくらい。
よくこんな歌を詠んだものですね(笑)
これを女の人に送ったわけです (-"-;) たしかに恋の熱が上がってしまった時というのは、
とんでもないことを考えてしまうものです。
若い頃、夜にそんなとんでもない思いをそのまま手紙に書いて送ってしまい、
明くる日に目が覚めて冷静になってみると、
なんであんな恥ずかしいことを書いてしまったのかと大後悔!そんな思い出は多くの人にあるのではないでしょうか A(^_^;
でも、平安の色好みというのは凄いです。
歌を詠んだ敏行さんとしては、この歌は後悔する歌でもなんでもなく、
帝の仰せで優れた歌を選んで作られた和歌集にもちゃんと選ばれている歌なのです。
昔は色好みは、いい男の条件です。
女の人にこれくらいの歌を詠めなければだめなのです。
ま、凄いです(笑)
でも女の方も負けてはいません。
返事を返す時にはもちろん歌を返すわけですが、
恋の駆け引きで、
送られた歌がいかに誠意のないものか等と言ってきます。
たとえ相手が若い皇太子であろうが容赦なく言ってきます。
それも凄いことですね。
初めの敏行さんの、恋しいと思う数が降る雨くらい、という歌のお返事は残念ながら残っていません。
でも、女からのお返事を想像するとすれば、例えば意味としてはこんな感じです。
《雨は降っても すぐに流れてしまいます 雲もいずれ消えるものでしょう だからあなたの心も そんなものということですね 》
すると男も負けじと・・・ となって(笑)なんと数十万もの和歌が今に伝わっています。
昔は、まさに和歌という詩で恋をし、心を伝えそして生活していたのです。
おそらくこれほど詩に浸った民族は日本人しかいないと思います。
恋をするのも歌を詠みながら。
ほんとに優雅な伝統ですね。
「我が恋の 数を数へば 天の原 曇りふたがり 降る雨のごと」、
ここまで来ると、もう胸を張って、こんな歌を詠んでみたいと思わせてくれるような歌ですね。
さあ、梅雨入りです。雨にも負けず、ついでに恋にも負けず・・ ま、これは無いですね(笑)