今月は
2025年 6月は
初夏です。晴れると気持ちいいですね。 ですが今月は梅雨入りです。ここ金沢では例年10日ごろから梅雨に入ります。ただ梅雨というと毎日雨ばかりという感覚がありますが、金沢は必ずしもそうでもないようです。 それは梅雨の雨は太平洋から吹く風によるものが多いので、 日本海側の梅雨は、太平洋側に比較すると降らない日が多いみたいです。 冬の雪や雨の時と、逆になるわけです。 それでももちろん、大雨の時はあるので要注意の時節です。 でも、屋根瓦の工事をする職人さんのインタビューで聞いたのですが、 梅雨時に屋根の工事が出来ない日というのは、平均すると2、3日に一回だそうです。 そんなに降らないかなー?と思うのですが、どうでしょうか。 今年の梅雨は、ちょっと注目してみたいですね。
今月の金花糖は、梅雨に抹茶の味わいで心地よくということで、「抹茶ぜんざい」がおすすめです。 「抹茶ぜんざい」は、丹波大納言の餡の美味しさをそのままシンプルに楽しんでいただくメニューです。 餡の上にアイスが載りまして、抹茶の濃茶がかかります。 そして彩りに、金箔と白玉が添えられます。 濃茶はシロップではなく、 お点前で使う抹茶を使っておりますので餡とアイスの美味しさが一段と深い味わいになっています。 本当に美味しいメニューです。 今月は金花糖で、ぜひ「抹茶ぜんざい」をご賞味くださいね。
では、雨にちなんだよみ人知らずの歌です。前書きがあります。
男のもとに、雨の降る夜に傘を送り届けて、来てほしいと呼びましたけれど、来なかったので。
さしてこと思ひしものをみかさ山かひなく雨のもりにけるかな
《差して来(こ)と 思ひしものを 三笠山 かひなく雨の 漏りにけるかな》
傘を差して来るものと 思っていたのですが 三笠山 届けたかいもなく雨が 漏れてしまったのでしょうね。
なんとなく面白い歌ですね。
「三笠山」は奈良にある山で、その名から笠が思い浮かぶので関連した歌によく詠み込まれました。
雨の夜に傘を送り届けて男を呼んだ。
でも傘なら男の所にもあるような気もするので、
親切なような強引なような感じがします(笑) ところが男が来ない。
それでこの歌を男のもとに送ったわけです。
強気の女の人であれば、そんなに来る気が無いのかとか言いそうなものですが、
届けた傘が雨漏りだったのですかと、ちゃんと相手に逃げ道を作った歌を詠んでいます。
こういう押したり引いたりが、この女性の恋のテクニックかもです。
昔は男と女が逢う時は、必ず男の方が女の家を訪れるものと決まっていました。
女の方からのこのこ行くというのは、おそらく非常に無作法なことだったのだろうと思います。
ですから女の方が早く逢いたいと思う時でも、それを男に伝えて待つしかないわけです。
すると昔の女の人は、待つだけで消極的だったのかというと必ずしもそうでもなかったのです。
平安時代の物語ですが、ある姫君が男への手紙のことで、
うじうじとしているのを見た女房がアドバイスをするくだりがあります
「何か苦しからん。今様(いまよう)は、女方進みてこそ良きことも侍れ」
《何が悩むことがあるでしょう。今時は、女の方が積極的であってこそ良いことにもなるのですよ。》
なんと、平安時代でも「今時は女が積極的じゃないと・・」という感覚があったわけです。
すごいですね。
すると、先の歌の女性がちょっと強引に男を呼ぶというのも昔でも、ありだったわけですね。
「差して来(こ)と 思ひしものを 三笠山 かひなく雨の 漏りにけるかな」、
面白いなと思うのは、こんな恋のまあどちらでもいいようなやり取りでも、昔は歌だったわけです。
優雅な時代です。
そして、漏れるような傘を送り届けるわけはないので、
まあ嫌味も込めながら「三笠山 かひなく雨の 漏りにけるかな」と詠んで、
男の気持ちを聞いているわけです。
まるで物語や映画のワンシーンを見るような、趣のある雨の歌ですね。
さあ、梅雨です。何といっても湿度が高いので、体調もすっきりしない日が多くなります。
あせらずマイペースで、とにかく楽しんで行きたいです。