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今月は

2026年 2月は

まだまだ寒いですが、今月は3日が節分で4日が立春となります。 いよいよ暦は春です。 節分は、いよいよと春になる前に鬼を追いやるという楽しい行事ですね。
こういう鬼やらいの行事は新年の前、大晦日にするというのもありました。 これは、昔の暦は考え方としては立春が新年だったからと思います。 旧暦では、色々制約があってなかなか元日をぴったり立春には出来なかったのですが、 それでも半月以上はずれないようになっています。 それで鬼やらいが大晦日の形のもあるのでしょう。 ちなみにハロウィーンの10月31日も、昔の暦で大晦日に当たる日だそうです。 何処でも、春をむかえる前には邪鬼を追い払ってそして春を迎えるわけですね。
では、早春を詠んだ式子内親王の歌です。

色つぼむ梅の木のまの夕月夜春の光をみせそむるかな
〔色つぼむ 梅の木(こ)の間の 夕月夜 春の光を 見せ初(そ)むるかな〕

色付いたつぼみが出ている 梅の木の間の 夕暮に浮かぶ月、春の光を 見せ初めているのです!
暖かい美しい春が、たしかに来ているのが見えた。 立春が過ぎてもなかなか暖かくならないのは昔も同じです。 春がどこまで来てるのか気になるところですが、 昔は天気予報もありませんし、暦も旧暦で進んだり遅れたりの幅が一か月もあって、 季節がどれくらい来ているかは分かりにくかったのです。 ですから季節がどれくらいかは、暦よりも自然の様子から見ていました。
今でも、草木にも鳥にも、そして光にも春はやってきます。 立春が過ぎると、まだ寒くても昼の長さは確実に長くなってきます。 日も高くなるので、天気の良い日には春のような日差しになります。
この歌の式子さんは春を夕月夜、夕方に出る上弦の月に、その光に見たのです。 でもそれはどんな月の光だったのか、気になるところです。 これはおそらくですが、源氏物語にも出てくるこの歌のような月だったのではないでしょうか。
照りもせず 曇りもはてぬ 春の夜の おぼろ月夜に しく物ぞなき
《照りもしない 曇り切ってもいない 春の夜の おぼろ月夜に 及ぶ物だけは無いなー》

初めの式子内親王さんの歌は、このおぼろ月夜の光が見え始めたのでしょう。 そしてこんな月の光が、梅の色づいたつぼみを付けた枝の間から見えたのです。 春だ、春が来た。 まさに、これぞ美しい早春の歌ですね。
さあ、冬を越えて、少しずつ春が見えてきます。 まあ待ち遠しいですね。

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